【日々のあれこれ、あてどなく。】

ジャンルに捉われず、自由に書いていきます。

アナログな言葉

「ダビングいつ終わる?」

最近、電車の中で聞いた会話の断片だ。

話しているのは女子中学生と思しき2人組。

どうやら貸したCDの話をしているようだった。

 

もはや死語と化した「ダビング」という言葉を、自分の一回り近くも下の子たちが普通に使っているのが衝撃的だった。

今の世の中、MP3プレーヤーやDVD、Blu-rayなどの普及に伴い、「録音」・「録画」・「取り込む」などの言葉が「ダビング」の代わりに使われるようになった気がする。

僕にとって「ダビング」は、カセットテープやビデオテープに“焼き付ける”イメージが強い、いわば「アナログな言葉」だ。

 

彼女たちの会話は終始よどむことなく、スムーズに成立していた。

つまり2人のうちの片方だけが古風な子で、「ダビング」という単語を知っていたわけではない。

一応、2人とも言葉の意味を正しく認識していたのだ。

そんな切り干し大根のような言葉を使うくせに、(2人揃って今の子らしく)中学生にしてスマホを華麗に操作していたのがどこか悔しかった。