就活における、“森の中の木”
合同企業説明会の1コンテンツとして開催された、映像制作業界の講演会に参加してきた。
新卒・既卒(中途)、2つのルートからイベント案内を出していたようだが、体感として97%くらいが新卒もしくは社会人歴のない既卒だった。
僕は単純に登壇者の話が聴きたかっただけなので、元から転職するつもりも企業ブースを訪問するつもりもなかった。
また広告業界自体、服装に関しては割とフランクな世界だ。
それゆえ、ビジネスカジュアルでイベントに行けばいいだろうと思っていた。
いざ蓋を開けてみると、リクルートスーツの群れ。
久しぶりに感じる気持ち悪さ。
もちろん、新卒の子たちからすれば僕の存在の方が明らかに異常なのだが(苦笑)
個人的な感覚は置いておくとしても、客観視できる立場になって気付いたことがある。
それは「顔のない群衆に見えて、意外と個々の色が見える」ということ。
みんな一様にリクルートスーツを着て、男子であれば落ち着いた色柄のネクタイをしめている。
みんなが同じような格好をしているからこそ、周りが全て比較対象になる。
するとどうだろう。
・スーツについたホコリやヘタレが気になる。
・シャツやスーツの襟が立ってしまっているのが気になる。
・寝癖とわかる髪型が気になる。
・中途半端な茶髪が気になる。
・革靴の汚れが気になる。
・伝線したストッキングが気になる。
・人が話しているときに、船を漕いでいるのが気になる。
・姿勢が明らかに悪いのが気になる。
例を挙げればキリがない。
とにかくネガティブな面がどんどん目につく。
もちろん、見た目よりも本人の熱意・ポテンシャルなどで先の選考に進めるかどうかを決めるべきだとは思う。
しかし説明会や面接において、入室してから着席するまでの間に面接官はかなりの外的情報を得ていて、それに従い個々人の第一印象を抱いてしまっているはずだ。
清潔感がない、ダラしない、自己管理ができない人たちは、自己紹介やPRの第一声を発する以前にスタートラインから何歩も後ろに立たされることになる。
言い換えれば、「自分は森の中の1本の木だから、よほどのことがなければ周りと同一のものに見られているだろうと考えるのは甘い」ということ。
「森の中にいるからこそ、少し腐敗しかけてる木やあらぬ方向に少しだけ突き出した枝が目立つ」のだ。
もちろん、面接などの選考対策を万全にしていくのが望ましいが、それ以前に十分な睡眠をとって、身なりを正して就活に挑むのが何よりも大切なんだと実感した次第。