デキるな!と思ったショップ店員さん
先日買い物をしたセレクトショップの店員さんが、「この人できる!」と思ったので、そのことについて書いてみる。
僕は服を買うときに、まず店の中をざっと1周まわって、欲しい商品の目星をつけるようにしている。
それから、予算に収まるように考えてそれらを試着したりする。
フィッティングルームから出た時点でそれ以上欲しいものはないので、「こちらの商品、レジにてお取り置きしておきます。ほかにも店内ご覧になられますか?」とか言われてももう用はないのだ。
それがアパレル業界における接客の基本なんだろうと思っているので、「(あー、はいはいまたね)いえ、こちらだけで大丈夫です」と告げてレジに向かう。
しかし、先日のケースは違った。
そんなにお客さんの入りが多くなかったこともあって、店員さんもさりげなく僕の動きを観察していたのだろう。
1周した後にもう一度ジャケットのコーナーに向かい、さらにパンツのコーナーに足を運んだ。
気になったチノパン+似たような色味のほかのチノパンを見せてもらって、試着を済ませる。
「それじゃあ、こちらをいただけますか。」と告げると「ありがとうございます。もしお時間があれば、こちらのチノに合うコーディネイトのご紹介だけさせてください。」と言われた。
いつもと違う展開にちょっと驚きつつも、参考になるだろうし話だけ聞いておこうと思い、5分ほどかけて4・5アイテムとの組合せを見せてもらった。
そして、その後の声掛けがさらに予想外であった。
「いかがでしたか?」などと訊かれることもなく、「このように使い勝手がいいパンツなので、どんどん履いてあげてくださいね。またお声掛けいただければ、いつでも別のコーディネイトやアイテムのご紹介もいたしますので、よろしくお願いします。」とあっさりした対応。
素晴らしいなと思い、軽く感動してしまった。
接客や営業の場合、どうしても目先のノルマを達成したいという気持ちが前に出てしまうもの。
しかし、この店員さんはそこは抑えて、お客さんとの長い関係づくりを優先した。
頭ではわかっていても、なかなか実行するのは難しいし、勇気がいる。
買ったチノパン自体がとても気に入ったのもあるが、それ以上にその店員さんの接客の仕方に好感がもてたので、また気が向いたら足を伸ばしてその人から服を買おうと思う。